こんにちは、ゲーム業界キャラクターモデラーの鬼木です(Twitterはコチラ!)
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将来キャラクターモデラーとして働きたい方に質問ですが具体的にどのようなスキルが必要がご存知でしょうか?
ぼくが学生のときもそうでしたが、プロに知り合いでもいない限りなかなか知る方法がないのが実情だと思います。
そこで今回の記事は以前ツイートした内容を掘り下げて解説しようと思います。
CGの敷居が下がった昨今ですがクオリティの高いキャラクターを作るにはツールの技術だけでは足りません。
・観察力
・造形力
・美術解剖学この3つのスキルも必須です
観察力はデッサン、造形力は粘土がオススメです。美術解剖学は人体資料見まくって実際に作ってみましょう!
— 鬼木@フリーランス3DCGデザイナー×ブロガー×CG講師 (@oniking0719) 2019年1月24日
上記の通りツールの習熟度はもちろんですがそれ以外に特に重要な必要なスキルが3つあります。
観察力
まず一つ目、観察力です。
キャラクターモデラーの主な仕事で言えばオリジナルの案件であれば他のキャラクターデザイナーの方が描いたデザイン画をもとにニュアンスなどを読み取って作る必要があります。
(会社によっては自分でデザインして自分でモデリングする会社もあるみたいです。スペック高!笑)
また、漫画のゲーム化など既存のIPを3D化するケースもありますので、その場合は原作キャラに似せることを非常に厳しくチェックされるポイントでもあります。
いずれにせよキャラクターモデリングは”似せる”ことが最重要課題になります。
デザイン画のキャラクターに似ていなければいくらクオリティが高かろうと修正指示が必ず来ます。似せるまで
この”似せる”のチェック基準ですが動物やモンスターよりは人間キャラクターの方が厳しい傾向にあります。
やはり人間の顔は普段見慣れている分少しでも形が違うと強烈に違和感を感じやすいモチーフです。デフォルメ系の顔はまだ似せやすい方ですがリアル系の顔は本当に難しい…
経験の長いアーティストでもなかなか難しいんじゃないでしょうか。
観察力は磨くにはデッサンをしっかりやることをオススメします。
デッサンをやることで基礎的な観察力を身に着けることができるので”似せる”という分野で効力を発揮してくれます。微妙な比率を見極めましょう!!
造形力
2つ目、造形力です
観察力だけあっても、モノを作れるようにはなりません。
3DCGは立体なので奥行きなど考慮しながら3次元的に考える脳が必要になります。
例えば画像をガイドにして作った場合、輪郭を合わせればいいので正面からの見た目はだいたい問題なく作れると思います。
しかしその3Dモデル、斜めや横から見たら破綻することはありませんか?
普段仕事で行う作業は2Dで描かれたデザイン画をもとに立体化するので、隠れて見えていない部分や、本来立体では成立しない絵のウソをなんとか立体で成立させるためにキャラクターモデラー自身が補完する必要があります。
こういった奥行き描写を成立させるために造形力が必要です。
造形力を鍛えるには粘土造形がオススメです。
画面上で立体を作るのも造形力は鍛えられますが実際に手で触って立体を作ってみるとそのあと抜群に立体を理解しやすくなります。一度はやっておきましょう!!
石粉粘土だとすぐ固まるしなかなか細かい造形が難しいので、より細かく造形できるスカルピーがオススメです。形状を整えるためにスパチュラもセットで買いましょう。
美術解剖学
そして3つ目、美術解剖学です
美術解剖学とは人体を中心とした、生物の解剖学的な構造をアートに応用するための知識だと思ってください。
観察力があって造形力もついたら小物などや建物などであれば作れるようになると思います。
しかしキャラクターはリアルであれデフォルメであれ人体です。筋肉がどうやってついているかなどの知識が必ず必要になります。
モンスターでも同じことです。デザインの元となる動物の美術解剖学を知らなければ説得力あるモンスターは作れないでしょう。
さて、美術解剖学の身に着け方ですがこればっかりは筋肉などの資料を見ながら実際に人体を3Dや粘土で作ってみないとなかなか筋肉の付き方など覚えられないと思います。それほど人体はめちゃくちゃ複雑です。
人体はキャラクターモデリングの基本であり、また最も難しいモチーフです。
美術解剖学系の本だと以下の2冊がオススメです。逆にこれ以外はいらないかも…?それくらい網羅されている良書です。
まとめ
・観察力
・造形力
・美術解剖学
上記3点がキャラクターモデリングで特に大事なことでした。
将来キャラクターモデラーを目指しているならこれらのスキルを意識して努力してみてください。
それではまた、次の記事で!!